売り長銘柄とは、信用買いより信用売り(空売り)の方が多い状態を指します。信用の売り残が買い残を圧倒的に上回っている(売り長)かつ株価が上昇を続けている銘柄に投資すれば、成功する確率が高いことになります。売り方の買い戻しによる踏み上げが期待でき、短期的には買い妙味があるとされる銘柄があります。
売り長だからと言って、かならずしも上がるとは限りません。売り方の機関投資家や売り屋も上手い事買い戻していきますから、売り長だった銘柄がいつのまにか売り長が解消されているなんてことも。
ただ、空売りした株はいつかは買い戻さなければいけません。空売りが信用買いを大幅に上回っているということは、将来の買い圧が強いということでもあるので、狙ってみる価値はあると思います。
※この記事に記載された株価、時価総額及びその他の数値はすべて2023年7月30日時点でのものです。株価、時価総額及びその他の数値は時間と共に変動する可能性があります。
おススメ売り長銘柄
<2804>ブルドックソース
2023年7月30日時点での株価:2,050円
信用買い | 信用売り | 信用倍率 | 貸借倍率 |
7,100 | 100,600 | 0.07 | 0.01 |
直近決算は7月27日発表の第1四半期
経常利益:3億1千万円
対会社予想進捗率:86.2%
通期予想が上方修正され前期比70%減益の3億7千万円を予想
時価総額286億円、PER554、PBR1.35
通期予想に対する進捗率が1Qの時点で既に86.2%であることから、さらに上方修正が出る可能性が高い。
信用倍率から考えてもこれ以上は空売りするのはキツイと思われるので、買い。
注意点としてはPERが554倍という高さなこと。
<8275>フォーバル
7月30日時点での株価:1,200円
信用買い | 信用売り | 信用倍率 | 貸借倍率 |
7,300 | 242,900 | 0.03 | 0.18 |
直近決算は5月12日発表の本決算
営業利益:27億円
対会社予想進捗率:90.6%
2024年3月期の通期予想は10.4%増の30億円(1Qは8月9日発表予定)
時価総額332億円、PER16.23,PBR2.10
2023年の業績が会社予想の90%に終わったため一時売り込まれたが、そのため売り長になっている。現状1日の出来高が17500株なのに対して、信用売りが24万株もあるので、買い戻しが大変であることが予想できる。
<8276>平和堂
2023年7月30日時点での株価:2388円
信用買い | 信用売り | 信用倍率 | 貸借倍率 |
9,800 | 456,900 | 0.02 | 0.10 |
直近決算は6月30日発表の第1四半期
営業利益:29億円
対会社予想進捗率:36.4%
通期の会社予想損益:80億円(38.8%減益)
時価総額1254億円、PER27.22、PBR0.69
売上高4200億あるので、もうちょっと株価が高くても良いような気もするが、今期の予想が前年比38.8%と大幅減益なのが売り込まれた要因か。8/20の優待券取りの為の両建ての売りの可能性もあるので、8/20以降、優待の権利落ちで一気に売り残が減る可能性もあり。
<9046>神戸電鉄
2023年7月30日時点での株価:3,040円
信用買い | 信用売り | 信用倍率 | 貸借倍率 |
12,000 | 203,500 | 0.06 | 0.71 |
直近の決算は5月12日発表の本決算
経常利益:9億9千万円
対会社予想進捗率:17.3%
2024年3月期の経常損益予想は12.8%減益の売上高221億円、経常利益8億7円万円
時価総額245億円、PER39.3,PBR1.14
一日の出来高が1万3千株ほどなので、空売りを買い戻すのもなかなか大変なような気がする。鉄道会社なので、上がっても下がってもそんなに値幅はないと思うので、旨味は無いか。
<8200>リンガーハット
2023年7月30日時点での株価:2,471円
信用買い | 信用売り | 信用倍率 | 貸借倍率 |
46,000 | 913,600 | 0.05 | 0.50 |
直近の決算は7月14日発表の第1四半期
経常利益:2億円
対会社予想進捗率:22.2%(通期業績予想:+9億円)
時価総額644億円、PER160,PBR5.39
業績から考えると割高と思われるが、長期線で反発する気配も見られる。打診で買いを入れて、上がったら2550ぐらいまで持つのはアリか。
まとめ
信用売りが信用買いを大幅に上回っている銘柄は、信用買いが将来買い戻され=将来の買い圧力になることを考えると、空売りの踏み上げで上がって行くことが想定されます。
しかし、空売りがそれだけ入っているということは、売られる理由があるということでもあるので、必ずしも売り長の銘柄があがるわけではないということには注意したいところです。
今回紹介した銘柄の他にも、空売りが信用買いを大幅に上回っている銘柄は結構ありますが、傾向としては内需関連が多いですね。なかでも食品や外食関係は空売りが結構入っている傾向にあります。
これは、内需関連株は外国人の買いが入りづらいため、どうしても日本人の売り屋の餌食になってしまうんでしょう。
空売りを入れるにも限度っていうものがあるはずなので、売り長になっている企業は業績で跳ね返して空売りを踏み上げていってほしいものです。
今回紹介した5銘柄の中では、ブルドックソースとフォーバルがおもしろいと思います。平和堂も、8/20日の優待権利日までは上がる可能性があります。
※株式投資は自己責任でお願いします。